平凡社地図出版

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  • 弊社は、2024年5月8〜10日に東京ビッグサイトで開催される第15回EDIX東京に出展いたします。このため、この週は不在となるスタッフが多くなるなど業務に影響が生じる可能性がございます、詳しくは担当者までお尋ねください。 <2024.04.25>
  • 情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センターと株式会社平凡社地図出版は、『日本歴史地名大系』の機械可読データ化に向けた協働を推進し、このたび歴史的地名の「行政区画変遷」に関する大規模オープンデータ公開に関するプレスリリースを行いました。 <2023.10.18>
  • 学習地図ライブラリ特設ページに、搭載されているテーマ一覧を新たに掲載いたしました。 <2023.10.12>
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日本地図帳データ、GIS化作業が大詰めを迎えています

出版・印刷の先、多用途への展開を見据えて

日本地図帳データ、GIS化作業が大詰めを迎えています

弊社より出版されている地図帳類は、基本的に印刷用デジタルデータとして管理されています。以前のアナログによる版管理に比べますと、デジタルは量的な負荷軽減(膨大なネガ・ポジフィルムはかさばる上に重く扱いが大変だった)、分業体勢で非効率だった作業の解消など、改訂に要するコスト削減に大きく寄与しています。

手書き地形影付け版の例。これが直接印刷機にかかるわけではないが、とにかく大きなものを動かす労力は相当だった、マウスとの大小差に注目

しかし、これらデータはあくまでも最終成果物が紙またはそれに類する媒体になることを前提としたもので、webへの展開などを考えると決して使い勝手がよいと言えるものではありません。

地図帳紙面の抜粋画像(実際の地図帳縮尺・寸法とは異なります)

上の地図帳イメージでは、例えば「明治神宮」左隣に鳥居記号が置かれていますが、この記号は印刷される単なるオブジェクトでしかなく、デジタル的に地名の「明治神宮」と結びついているわけではなかったのです。そのすぐ左には「小田急線」の文字も見えていますが、これも同様にそのすぐ下に描かれている鉄道線に『これは小田急線』と登録しているのではなく、線や面・文字・記号はそれぞれがパーツとしてバラバラに配置されているに過ぎませんでした。

印刷用デジタルデータをGISで扱うことのできる形式に変換するのには、ノウハウ・技術をお持ちの株式会社地理情報開発さまが力を貸してくださり、地図帳のうち大半のページを変換することができました。ただ、上記のように線や面が何であるかの情報(専門用語では「属性」と称します)はほぼない状態で、地図帳に置かれている地名とこれらとをまず有機的に結びつける作業が必要になりました。作業自体は単純に思えますが、何せ地図帳上にある地名数は数万に上ります、大ボリュームをいかに効率よく処理するかが工夫のしどころでした。

GISソフトウェアで選択した赤玉記号の情報を表示したもの。位置や色・サイズの属性は変換時に自動登録できても、「山」以上の詳しい個別情報が登録できてない

また、印刷用データはあくまでも見開き単位で完結しているため、隣接図との間に重複掲載エリアがあるとデータをつなぎ合わせた場合、重複した分だけ線・面・文字・記号がごちゃっと重なって出てきてしまう難点もありました。GISデータは本来、北から南まで統合された1つのデータであるべきで、これも重要な改善点でした。

GISデータをズームすると、初期の合成状態では同じ場所へ見開きの数だけ記号が重複し整理が必要

新型コロナウィルス蔓延に伴い繰り返された緊急事態宣言で、弊社もたびたび在宅勤務推奨状態に陥りその都度業務の遅滞を強いられました。しかし、幸いGISを扱うソフトウェアは職場のMac以外にWindowsでも動作させることが可能だったため、これら大ボリューム作業を中心に自宅作業や外部委託を積極的に活用し、現時点で(やるべきことはまだまだあるのですが)GISとして北から南までひと続きになった統合データが9割がた完成しています。

今後は、タイル生成によるwebGISでの活用や、geojson形式によるマルチなコンテンツへの発展など、従来出版や印刷でデータが完結していた頃と比べると展望は大きく開けてきています。同時に、新たな展開を模索する中でまだ知識が追いついてない部分も多く、社員一同より研鑽が必要だと認識を新たにしています。皆さまからもぜひ、地図を活用してあんなこと・こんなことがしたいといった要望をいただいて、地図がより楽しくなる活用方法を検討していきたいと考えていますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします!

地図往来

地図制作の現場体験から「地図」の魅力を多方面にわたり語って参ります。地図はおもに私達の生活する地球上の時空間の仕組みを図化するものです。従って、自然、人文現象等、森羅万象を対象といたします。縮尺の概念が絡む世界ですが、大変広域に、また奥深く・・・お楽しみに!

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