平凡社地図出版

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  • 「学習地図ライブラリ主題図版」コンテンツの提供先であるジャパンナレッジスクールのWebサイトにて、特徴やねらいなどを弊社社員が概説した動画が公開されました。 <2025.04.22>
  • 今年(2024年)5月下旬、取材を受けた内容が中央出版<アノニマ・スタジオ>さまより、『校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる』として、12月下旬に刊行予定となりました。様々な校閲の現場を著者・牟田都子さんが訪ねた結果をまとめられたものです。弊社では原田が対応し、誌面でも紹介されておりますのでぜひお手に取ってご覧くださいませ。 <2024.12.03>
  • 10月31日、無料地図ライブラリに位置情報を内包するGeotiff形式の白地図データを、試験的に公開いたしました。ヨーロッパのみに限定していますが、ご要望があれば他地域の公開も検討いたします。 <2024.10.31>
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日本大地図帳11訂版、こぼれ話と今後の展開

地図データ、より汎用性を持たせた姿を目指して…

日本大地図帳11訂版、こぼれ話と今後の展開

デジタル地図帳for school。現在多くのアクセスをいただいているこのコンテンツの、大元となっているGISデータからこの春、『日本大地図帳11訂版』が誕生しました。全国一律の同じ縮尺による大型本は久しく刊行が途絶えており、18年ぶりの「復活」となりました。

実際の紙面は、旧版と大きく変わってはいません。地形の表現は、あえて手書きレリーフを引き継ぐことで、DEM(標高)データから機械的に生成された(ややもすると)無機質な地形表現との差別化を図り、かつ文字や線の描画を見やすくする効果を狙っています。

日本大地図帳11訂版、こぼれ話と今後の展開
実際の紙面イメージ。枠周りやタイトルなどは別として、地図自体は以前の日本大地図帳の表現と大差ない

パッと見た限り、今回の地図帳がGISデータを元に作られたということは全く分かりません。

日本大地図帳11訂版、こぼれ話と今後の展開
日本大地図帳11訂版チラシ。表現上今までと差がないことからあえて「GIS云々」はどこにもうたわれていない

が、元々GISは紙の地図を作るためだけの仕掛けではないので、実際に紙の地図帳を、今までと同じような仕上がりでGISデータから作るにはややもすると強引な、力技に近い作業を経なければなりませんでした。

最も苦労したのは、やはりGISデータ最大の特徴である「属性データ」を紙の地図でどのように表すか、でした。記号に対する属性データの地名を、スタイルはどうして、記号からはどれくらい離して、どこに配置して…GISにすべてを委ねてしまうと、とんでもない仕上がりでアウトプットされてきて、頭を抱えてしまう場面も。

日本大地図帳11訂版、こぼれ話と今後の展開
GISアプリケーション上で極力スタイルを紙に寄せてみた結果。激しい文字同士の重なりをアプリケーションが処理し切れず凄まじい状況に

しかも、地図は記号と文字だけではありません。線や面もGISで管理し、紙の地図を生成しようと思うと、様々な、それこそ今まで考えつかなかったような矛盾が次々に出てきます。
線に対する属性値の地名は、持たせ方・与え方が非常に難しく、今回構築を一度棚上げにして作業したものもありました。例えば橋やトンネル。これらを、線に沿って表現すべきか、点として水平に表すべきか…いくら日本全国同じ縮尺でも、橋やトンネルの長さによってはすべてを同じように表すことができず、GISデータを一律に整備できないケースが続出したのです。

日本大地図帳11訂版、こぼれ話と今後の展開
日本大地図帳の千葉県を含むページ。同カテゴリなのに、アクアトンネルは線に沿い、水郷大橋は水平になっていて表現に差がある

弊社がGIS導入からまださほど経ってないこともあり、「GISならもっと深くまでやってくれるのではないか」という万能感も、結果的に作業量を甘く見積もることになってしまい信じがたいほどの大汗をかくことになったのですが…それでも何とか、昨年度うちに刊行させることができたのは、思惑通りではなくとも、GISによる省力化がある程度は働いてくれたからでもありました。

今まで、紙の地図はそのままAdobe Illustratorデータだった弊社の地図。それを今回、汗をかいてでもGISから構築したからこそ、デジタル地図帳for schoolで公開している地図タイルの生成につなげることができたという側面もあります。紙からデジタル・ネットの世界へ…より汎用性の高いデータを目指し、弊社のGISデータを今後も進化させてまいります。

地図往来

地図制作の現場体験から「地図」の魅力を多方面にわたり語って参ります。地図はおもに私達の生活する地球上の時空間の仕組みを図化するものです。従って、自然、人文現象等、森羅万象を対象といたします。縮尺の概念が絡む世界ですが、大変広域に、また奥深く・・・お楽しみに!

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