FIFAワールドカップ・カタール大会2022開幕と世界大地図帳
サッカーワールドカップ2022が、カタールで開幕しました。残念ながら私はサッカーに全く明るくないのですが、今回参戦する日本の予選リーグの対戦相手はいずれもかなりの強敵、決勝トーナメント進出がかなり困難でハイレベルな組み合わせであることは噂に聞こえてきています。
カタールって、どこにある国かご存じですか。中東の産油国で、首都はドーハです…と説明されて、サッカーファンなら「ピン!」ときたのではないでしょうか。そう、日本が初めてのワールドカップ本戦出場を目前にしていた1993年、アジア最終予選の最後の戦いとなるイラク戦でロスタイムに同点ゴールを決められ、掴みかけていた出場の切符を寸前で手放さざるを得なくなってしまった、あの出来事のあった場所なのです。日本のサッカー界にとっては、因縁の地とも言えましょうか。同じ場所で「悲劇」が繰り返されるのは好ましくありません、強敵が相手ではあっても何とか勝ち進んでもらいたいものです。
サッカー云々を抜きにしても、カタールは中東における主要産油国として存在感のある国なので、名前には聞き覚えがある方も多いと思います。でも、改めて世界全図から「カタールを探してください」と言われると…これがなかなか難しい、とても小さな国です。そんな小さな国でも有する一定の知名度と存在感…原油の産出が、現代においていかに重要な要素であるかがよく分かります。
決して弊社がワールドカップサッカーの開催を見越していたわけではないのですが、今年6月に改訂した弊社主力商品『世界大地図帳』では、このカタールを含む「ホルムズ海峡周辺」を従来よりもさらに拡大して詳しく取り上げたページを増やし、サッカーのみならず資源価格の変動からもますます注目されるこの地域をより深掘りできるように質を高めています。
地図自体を眺めても全く分かりませんが、今回のページ増では新たな試みとして、GISを駆使した地図帳作成にも挑戦しています。最終的には印刷物なので、従来のページ同様のフォーマットに変換しなければなりませんでしたが、GISの元データまで遡ると線の1本1本、地名の1つひとつが絵柄には現れない「属性」を持っていて、これらの情報に基づいてより多様な地図が生み出せる可能性を秘めたものに仕上げられています。
従来は「最終成果物が紙媒体」がほとんどだった弊社の業務も、近年は画像やデジタルで完結するもの、GISを絡めたものに様変わりしつつあります。今後は、小縮尺におけるGIS地図・地名データベースの構築を、日本・世界ともに実現すべく研究や模索を続けてまいります。