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- 『難しい地名もスラスラ読める! ふりがな日本地図帳』、好評発売中です。ラジオ局やVチューバーからも取材をお受けしました! 画期的な地図帳なので、ぜひお手に取ってご覧くださいませ。 <2026.07.09>








『地図往来』のコーナーでも紹介しましたが、そもそも地図はすべての情報を寸分違わず正確に表すことはできません。決まりごとに従って、地表にあるものを縮めて表現するという大前提がある以上、どこかに必ず「誇張と省略」が入り込んできます。それらによって消されるものや位置を動かされるもの、形が変わるものが出てくるので、地図の世界では意外に正しい・誤りを論じるのは簡単ではないのです。
もう1つ重要な視点として、「正しいこと=世間の認識」とは限らないことが往々にしてある、ということがあります。弊社所蔵資料に公的なお墨付きのある仰々しいものも少なくありませんが、例えばこの『鉄道要覧』。
ページを開いてみると東日本旅客鉄道(JR東日本)の冒頭に、一般の方なら「これは絶対に間違いだろ!」という表記がいきなり現れます。赤羽線 池袋,赤羽 5.5km…そうですよね、普通に考えたらこの間は『埼京線』であって、赤羽線はとっくの昔に消えてなくなった…と思われるはずです。ところが、国交省が監修しているはずの資料では堂々と存在していると書かれているのです。これを、資料が正しいとしてその通り地図に書いたら…どうでしょうか? おかしいですよね? 同じようなことは他にもあって、JR東日本の部分を首ったけになってどんなに調べても『京浜東北線』が出てきません。でも、だからといって地図上から京浜東北線を消してしまうとどうでしょう…やっぱり変ですよね? 正しいことを額面通りに地図へ表すことが、必ずしも適当でないというのはこういうことなのです。
交通線繋がりでは高速道路にも似たようなことがあります。ひと昔前、高速道路のSAPA案内所には必ずと言っていいほど置かれていた無料の地図。当時の情報なので紙面は必ずしも新しくはありませんけど、こちらにも「あれぇ?」という表現が見えています。
今ではすっかり首都圏の外郭環状道路として定着した感のある『圏央道』が、関越自動車道や中央自動車道とは全然違う色や幅で描かれていて、まるで「完全に別の道路」扱いになっており、当時はまだ有料道路だった『富士見川越道路』と全く同じ表現になっています。さらには、国土地理院のwebから参照できる地理院地図を見ると、圏央道は一見関越道と同じように描かれているように見えますが…
実際に圏央道を走っていても沿線ではまず見かけない国道番号を示す逆さおむすび記号が、圏央道の上に堂々と描かれています。いずれも、車を運転して圏央道を利用する立場からは全く理解のできない表現をしているのですが…実はこれらは間違ってはいないのです。でも、だからといって色も太さもこんなに違えたら、やっぱり何だか変ですよね。
見る人に事象を分かりやすく伝えることと正確な記述を突き詰めることとは、切り分けて考えねばならないのが地図の難しいところだと感じるのです。
地図制作の現場体験から「地図」の魅力を多方面にわたり語って参ります。地図はおもに私達の生活する地球上の時空間の仕組みを図化するものです。従って、自然、人文現象等、森羅万象を対象といたします。縮尺の概念が絡む世界ですが、大変広域に、また奥深く・・・お楽しみに!