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今月に入り報道が出てきたインドネシア首都移転ばなし。
さすがに首都ともなるとちょっとした世界地図でも掲載されていることが多いので、各方面から「地図はどうしたらいい?」という問い合わせをすでに複数いただいています。辺縁の地ならばともかく、インドネシアは同じアジア諸国な上に日本との距離も決して遠いわけではない、比較的身近な存在であるがゆえ、世間の関心も高いようです。

今回の報道では、移転先とその名称が決定したというのが主旨であり、これをもって即、現首都のジャカルタが首都でなくなったわけではまったくありません。
それどころか、移転先はまだ密林状態という報道さえ見受けられ、決まったとされている「ヌサンタラ」の地名だけが完全に一人歩きしている状態で、この地名を地図上に置くこと自体が架空地名を記載することになり、問題があると考えます。
そもそも一国家の首都移転というのは、国の規模を問わずとてつもない大事業であり、経費も時間も膨大にかかります。しかも折悪く、世界はいま新型コロナウィルスの感染が収束の出口すら見えない状況下。経済へも影を落とす感染拡大が続く中、移転にかかる費用を本当に予定通り確保することができるのか、先が見通せないと言わざるを得ません。
移転に要する時間もしかりです。とある特定の年月日をもって、手のひら返しでハイ移転…そんなわけありません。政府機関や国会議事堂、裁判所などなど、首都の機能が一斉に切り替えられることはまず考えられないからです。しかも今回は、ジャカルタのあるジャワ島の外、距離のあるカリマンタン島への移転ですから、なおのこと。
オミクロン株の急速な拡大で心がざわつくのは分かりますが、焦って勇み足を踏んでも仕方ありません、いま一度落ち着いて事の推移を見守ることにしましょう。
地図制作の現場体験から「地図」の魅力を多方面にわたり語って参ります。地図はおもに私達の生活する地球上の時空間の仕組みを図化するものです。従って、自然、人文現象等、森羅万象を対象といたします。縮尺の概念が絡む世界ですが、大変広域に、また奥深く・・・お楽しみに!